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日本の眼 第12章 かろみ

「繰り返し手をいれていくこと。」

「一手でさっと放つこと。」

このふたつのことは、まったく逆のことであり、同時にほとんど同じことでもある。

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布をトルソーにそわせてピンを打ち、手探りでドレープやシルエットを作り出す。
この最初のプロセスで生まれる「一瞬の発見」から、思いがけず服のデザインは始まることが多い。

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形が出来たらひとまずピンを外して型紙におこし、実際に仮縫いしてみる。
しかしあの「一瞬の発見」が、そのまま再現されていることはまれだ。

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何度もパターンを修正しながら作り直す。バランスを見直し、人が着てみて、布の動きや機能性の直しもいれる。
そしてもうこれ以上手を入れられない地点がくる。
その時に一番大切なのは、まるで最初の発見だけが軽やかに表現されていることだ。

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「かろみ(軽み)」とは、松尾芭蕉が晩年にとなえた俳諧の境地でもある。
それはありふれた光景を日常の言葉で軽やかに表現し、かえって深い味わいを描き出すことだ。
「古池や蛙飛びこむ水の音」
一瞬の心の動きは、ありふれた言葉で軽やかに描かれたからこそ、時代を超えてまっすぐに届く。

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「繰り返し手をいれていくこと。」
「一手でさっと放つこと。」

この2つのことはまったく逆のことでありながら、ほとんど同じことをめざしている。
日々の発見を軽やかに描ききれたとき、それは人の心の真実となるのだ。

           -コレクションのコンセプトよりー

デザイナープロフィール

堀畑 裕之は同志社大学大学院を修了後、関口 真希子は杏林大学を卒業後、ともに文化服装学院アパレルデザイン科で学ぶ。1998年に卒業後、それぞれ別々のデザイナーズブランドでパタンナーとして5 年間勤務。2003年渡英、ロンドンのBora Aksuのアトリエで働く。帰国後05年3月(株)lews纏設立、「matohu」をスタート。06年3月より東京コレクション・ウィーク(JFW)に参加。2009年 毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞。

official site. http://www.matohu.com/

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