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日本の眼第五章は「やつし」

「やつし」とは、豊かで美しいものや気高い精神が、あえて簡素に貧しく姿を変えることである。

「まとふ」の2012A/Wコレクションは、秩父宮ラグビー場の屋外通路で行われた。意表をついた会場だったが、ショーが進むにつれて、デザイナーがこの場所を選んだ理由が腑に落ちた。枯れ木になった銀杏並木は、「やつし」にぴったりの場所だった。

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ハケ染めはショーの中でも特に印象深いテキスタイルだった。
粗い風合いのくず繭と綿の素材に、ハケで一気に描くことで生まれるグラデーションは、はっとするほど美しいものだった。
その瞬間、枯れ木が美しい銀杏並木に姿を変えた。

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「やつす」とは漢字で「略す」とも書く。豪華な物を省略して、簡素で小さなものにしたり、格式高い正統なものを、普通のありふれたものに崩していく。
「やつし」がそのまま美しいという事はあまり無い。
それが多くの人にとって美しいと受け止められるには、人の心の底にもっと深い何かが動いていなければならない。

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オリジナルのテキスタイルは「まとふ」のこだわりが凝縮されたもの。
地味に見えるものでも、実際はとても高級な素材なのだ。
一見しただけでは、その良さは分からないかもしれないが、着込むほどにその良さが体で分かってくる。

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モデルのメーキャップや髪型もテーマに沿って、ナチュラルで崩していながら上品さが漂っている。
見た目のきらびやかさに頼ることなく、内面からの強さや美しさを感じさせる女性像が浮かんでくる。

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「日本の眼」とは「日本の美意識」のこと。
「やつし」の美を見出した日本人の感性は、存在する時間の奥行を感じ取り、そこに美を見いだした。
テーマに対するキーワードは、「水戸黄門」「遠山の金さん」「枯山水」「生け花」「侘び茶」 すべて、豊かで美しいものや気高い精神が、あえて簡素に貧しく姿を変えることである。

デザイナープロフィール

堀畑 裕之は同志社大学大学院を修了後、関口 真希子は杏林大学を卒業後、ともに文化服装学院アパレルデザイン科で学ぶ。1998年に卒業後、それぞれ別々のデザイナーズブランドでパタンナーとして5 年間勤務。2003年渡英、ロンドンのBora Aksuのアトリエで働く。帰国後05年3月(株)lews纏設立、「matohu」をスタート。06年3月より東京コレクション・ウィーク(JFW)に参加。2009年 毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞。

official site. http://www.matohu.com/

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